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石焼き 2

 ジェイコブは周辺から大きさが同じくらいの大きな石を2つ持ってきて、少し隙間を空けて並べる。


 また、平らな石を2つ探すとそれを小川でじゃぶじゃぶと洗い、片方を先程並べていた2つの石の上に橋をかけるようにして置き、焚き火から日のついた薪を何本か取り出すと、土台となっている石の隙間に放る。


「なるほどな、その平たい石を熱して、その上で焼くわけか」


 感心したようなマーヤに、ジェイコブはうなずく。


「ああ、どうしても外での料理になると串焼きか壺でスープをつくるかになりがちだが、石焼きなら器具を持ち運ぶ必要もないし、バリエーションが増えて良いぞ」


 説明しながらジェイコブは肉の下処理に入る。


 先程洗った平たい石のもう片方の上に肉を置き、ナイフで細かく切り分けた後、叩いてミンチにしていく。


 ある程度ミンチができた時、ジェイコブは自身の荷袋から何やら乾燥させた草のようなものを取り出した。


「こいつは ”ギネの葉” だ。まあ、香草の一種だな。俺はこいつの風味が好きでな、仕事のときも常に乾燥させたこいつを持ち運んでいるってわけさ」


 そう説明しながら、ナイフで細かく刻んだギネの葉を先程のミンチに練り込んでいく。


 よく練ったギネ入りのミンチ肉を丸型に2つ成形し、温めておいた平石の温度を確かめる。


 十分石が熱くなったことを確認したジェイコブは、石の上に切り取ったバトルベアの脂身を置いて滲み出た油で石をコーティングする。


 油でコーティングした熱々の平石に、先程のミンチ肉を乗せると、ジューっと美味そうな音を立ててフワリと煙が立ち上った。


 未知の食べ物。しかし先程の串焼きと比べるとずいぶんと美味そうだ。


 マーヤはゴクリと生唾を飲み込んでミンチが焼けるのを待った。


 両面軽く焼きあとがつくまで熱し、ジェイコブは出来上がったミンチ肉を木の皿に取り分ける。


 フォークなんて上品なものは無い。


 マーヤはナイフで肉を一口大に切り分けると(ミンチにしたためか、その肉はとても柔らかく、ほとんど力を入れずに切り分けることができた)、ナイフで突き刺してそのまま口に運ぶ。


 フワリと香る上品な香りは、ギネという香草のものだろうか?


 あの筋張った串焼きと同じ肉なのが信じられない。


 ホロリと口内で崩れ、噛みしめると肉の旨味が溢れ出る。


「うっめぇええ!!なんだこれ!?ミンチにしただけでこんなに違うのか!?」


 半狂乱でバクバクと食べるマーヤ。ジェイコブは笑いながら答えた。


「食感ってのは重要だ。多少香草の効果もあるだろうが、もともとバトルベアの肉はうま味が強いからな」


「まじかよ!バトルベア乱獲してくるぜ」


「やめとけって、今回は人里近くまで降りてきてたから討伐依頼が来たが、バトルベアの個体数は多くない……あまり狩りすぎると絶滅するぞ?」


「冗談だって、ジェイコブは真面目だな!」


 カカカと豪快に笑うマーヤ。そして、何かを思い出したとばかりにポンと手をうった。


「そういや、まだ名乗ってなかったね。旅人のマーヤだ。よろしく」






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