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ブルータル・ビー

 ブルータル・ビー


 人間の拳ほどの大きな蜂。縄張り意識が強く、性格は極めて獰猛。


 針には即効性の痺れ毒があり、一刺しでもされたら一瞬で体の自由を奪われる。


 群体で行動するため対処が難しく、ギルドの定めた危険度は上から二番目のAランクだ。


 そんな危険な蜂がよく目撃される危険地区にむかいながら、テオは大きなため息をついた。


「まったく……理解に苦しみますね。ブルータル・ビーの巣なんて、迂回する理由にはなっても、好んで近寄るのはアナタくらいですよ」


「そうかぁ?流通量が少ないとはいえ、ブルータル・ハニーが市場に出回る事もあるんだ。ってことは誰かが取りに行ってるんじゃないのか?」


 テオはやれやれと肩をすくめた。


「リスクが大きすぎますね。魔王討伐でひとまずの脅威が去ったとはいえ、まだ世界は貧しい。美食に金をかけられるのは貴族くらいです。高値では売れるでしょうが、金を稼ぐならもっと楽な方法がある。故に……」


 テオは呆れたような顔でマーヤを見る。


「都市の近くに巣ができて、やむを得ずに対峙する時以外、ブルータル・ビーの巣に行くなんて普通は無いのです。市場に流通しているブルータル・ハニーも、そういった討伐時の副産物でしょう」


「へぇー。自分で食う為に巣に向かう奴はいないのかねぇ」


「美食の為に命をかけられるのはアナタくらいですよ……」


 そんな雑談をしながらゆっくり馬を走らせていた二人だが、やがて二人の乗っていた馬が、何かに怯えたように立ち止まる。


「おっと、そろそろかい?」


 マーヤの問いに、テオは頷く。


「ええ、ブルータル・ビーの縄張りが近いのでしょう……この先、馬は使い物になりませんね」


「じゃ、ここからは徒歩だな」


 そう言うと、ひらりと馬から降りるマーヤ。その身の軽やかさから、彼女の運動神経の良さが伺える。


 テオも馬から降りると、二人は持っていた縄で馬を近くの木につないでおいた。


「……あれから研究漬けの日々を送っていたもので、こうして運動するのも久しいです」


「ちったあ運動しないと体に毒だぜ?いい機会じゃねえか、楽しめよ」


 マーヤの言葉に、テオはフッと表情を崩した。


「楽しめる……かはわかりませんが、そうですね、確かに部屋にこもってばかりでは不健康です」


 コキリと首を鳴らし、テオは純銀のロットをギュッと握りしめた。


「行きましょうか、久しぶりの冒険に」



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