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ドワーフの火酒 3

「……頭が割れる……いかん、死んでしまう」


 真っ青な顔をしたドワーフのロッシーは、二日酔いで痛む頭を押さえて待ち合わせの場所に来ていた。


 昨夜行われたマーヤとの飲み比べは、途中から記憶がない……。


(さすがに人間の小娘に飲み負けたってことは無いと思うが)


 そんな事を考えながら、昨日の記憶を探ると、互いに酒樽を1つ空けたところまでは思い出せた。


 人間がそんな量の酒を飲んでいるところを、ロッシーは昨夜初めて見た。


 勝敗がどうにせよ、あれだけの酒を飲んだのだ、今日あの娘は動けないかもしれない。


 痛む頭を押さえながら、約束の場所で待っていると彼を呼ぶ元気な声。


「おうロッシー待たせたな!」


 現れたのは完全武装したマーヤ。見る限り、二日酔いはしていないように見える。


「ウソだろ?昨日あれだけ飲んだのに二日酔いしとらんのか!?」


「あぁ、楽しかったな昨日は。アタシは酒強すぎて一緒に飲める奴がいなかったんだ。ドワーフってのは楽しい種族だな」


 カカカと豪快に笑うマーヤを、ロッシーは呆れたような目で見つめる。


 その元気な姿を見れば、昨日の勝敗は察せられるというものだ。


「しかしそうとうキてるみたいだなロッシー。二日酔いがキツイなら出発は明日にしてもいいぜ?」


 マーヤの提案に、ロッシーはフンと鼻を大きく鳴らす。


「ドワーフの頑強さをなめるなよマーヤ。これくらい屁でもない」


「そうかい……そりゃあ失礼したね。じゃあ早速行こうか」


 ロッシーはもちろんとばかりに頷くと、酔い覚ましに腰にぶら下げていた水袋の中身を少量あたまにぶちまけ、ぶるりと頭を振った。


「行っておくが、道中はかなり厳しい旅になるぞ? ついてこれないようだったらおいていくからな?」


 ロッシーの脅し文句に、マーヤは不敵な笑みで返す。


「ふんっ、まったく大した小娘だ……」


 そして歩き出すロッシー。少し不貞腐れたような彼を、マーヤは笑って追いかける。


 目指すはダオン鉱山のふもと。ドワーフの集落。


 活火山の地熱で通常の生物は定住できない灼熱地域。


 マーヤはまだ見ぬドワーフの火酒に思いを馳せ、目を輝かせるのであった。

 




◇ 

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