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クマのボーロ
「パートナーってぬいぐるみ?」
「そう。実は動く」
確認するリンに、ポーリャはクマのぬいぐるみをカバンから取り出した。
「ボーロ、挨拶」
取り出したぬいぐるみに声をかけ、ポーリャが空中で手を離す。
落っこちると思い、差し出したリンの手の上にはぬいぐるみが浮いている。
そしてリンの頭をポムポムとクマのぬいぐるみがなでるように手を置く。
「すごい!生きてるみたい!どうやったのこれ?」
「魔法で作るのよ」
宙に浮くポーロとリンが戯れている間に姫野先生は床に新聞紙を引いていた。
その上に白い紙を置いて、魔方陣を描く。
「この魔方陣に向けて魔法を唱えてみて。好きな動物を思い描きながら、ね」
リンは考えるそぶりを見せる。かなり悩んでいる様子が見受けられた。
「好きな動物好きな動物……うーんうーん、ウサギにします!」




