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重なる音と服合わせ
音と音が重なる。
重なった音がリンの近くに集まっていく。
音がリンと合わさると帽子とローブへと姿を変えた。
「あれ?またなんかイメージと違う……」
姫野先生の帽子とローブに似ている部分はある。
ただし、大半はアレンジが入っていた。
「想像力が豊かな証拠」
ポーリャがポツリとつぶやく。
「どうしたの?ポーちゃん?」
「リンちゃんはすごいなって思った」
いつものように淡々とリンの質問に答えるポーリャ。
「素敵なことよね。想像したものを形にできるのって」
「あ、ありがとうございます……」
姫野先生の言葉にリンは恥ずかしそうに頬をかき、お礼を言う。
「ただ、想像力が強すぎるから調整してくれるパートナーをこれから作ろうか」




