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大切なもの
「とてもとても大切なものをリンちゃんはすでに持っているのね」
「どんなことですか?」
涙目で姫野先生に聞き返すリン。
「想像力が豊かってこと。魔法を使う上ですごくすごく大事なものよ」
「そうなんですか……」
半信半疑で答えるリン。その瞳には急に褒められたことの戸惑いが見える。
「そうよ。ただ想像力が強すぎると失敗することもあるから気をつけてね」
姫野先生の言葉で、リンはピンと気づく。
(あ!雪降らせたとき、あれも私の想像力が原因だったの?)
「服装とパートナーを決める。それが先決」
「そうね、そうする。服装は姫野先生のをアレンジした形にしてみます」
ポーリャの言葉にリンは我に返り、ぽーりゃと姫野先生に言葉を贈る。
「わかったわ。なら魔法で服装を作ってみてごらん」
「わかりました。音色よ音色、音の色――」
リンは魔法を唱え服装をイメージする。同時に音をまとう感じも。




