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写生大会の内容
「今連絡があったようにもうじき写生大会が始まります」
そこまで真剣な面持ちで話すと、急に砕けた表情になる姫野先生。
「まあ自分の好きなものを書いて提出するのが一番大事なことかな?」
「でも先生、それだと似通ったものばかりになって、個性が薄まります」
「自分の好きなものって、自分の好きなやり方も入るんでしょうか」
「みんなと相談するのはどうかな?その上で個性を出せれば素敵よね」
次々と出てくる意見に姫野先生はてきぱきと答える。
「自分の良さも他人の良さも認め合うから高まるよ」
(そいうものなんだろうか)
でも姫野先生の言うことだからしっかり覚えておこう。
リンがそう考えていると1時間目開始の鐘が鳴る。
「え、もう?出席とかまだなのに」
「全員いますんで、それで何とか」
「そうね、そうさせてもらうわ」




