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回想を終えて

 気がつくとリンは部屋にいた。

 周囲を見渡し、自分の部屋とわかる。

 ふしぎなことに時間は魔法を使う前と同じ時間だった。

「なんで……」

 リンの手から杖が離れる。

 手から離れた杖が空中で、落ちたクッションの上で音を鳴らす。


「そっか。魔法、また失敗しちゃったんだ……」

 リンは杖を見たまま、ポツリとつぶやく。

 杖を見ているのか、うつむいているのか、リンは下を見ていた。

 しばらくの間ずっと下を見続けるリン。


(魔法ってなんなのかな……)

 リンは心の中で答えを探す。けれど心の中は迷路のように入り組んでいた。



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