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いつもと違うリンの家
「え?なに、何がどうなったの?」
リンは家の中にいた。
「あ、お父さんとお母さんだ」
声をかけようとする。
リンの両親はそのまま歩いてきた。
ぶつかる!とリンが身構えたら、そのまま通り抜けた。
(あれ?)
リンは両親の肩に手をのせてみると、スカッと空を切った。
母に抱き着いてみようとしてもそのまますり抜ける。
(え?え?え?)
ふしぎに思っていると玄関には兄がいた。一人暮らしをしている兄が。
「りっ……んちゃんは?」
「部屋に閉じこもってるわ。声はかけたんだけど」
「そっか。ちょくちょく帰ってくるつもりだからその時に会おうって伝えておいてね」
(え?お兄ちゃんがどうして家にいるの?ひょっとして私過去に来たの?なんで?)
リンが混乱しているとボーンと時計の音が聞こえた。




