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本探し
図書室に到着するとすぐにポーリャは歩き出す。
「ポーちゃんは民話の本?」
「そう。ここは多いと聞いた」
「あはは。私も探そうかな。魔法関連の――」
リンは口に手を当てて話すのをやめる。
それは魔法が内緒なのか、それとも図書室にいる人ににらまれたからなのか。
とにかく場を離れようと、そそくさと本棚に向かう。
(何の本探そうかなあ。魔法の本かな、ってうさぎ物語じゃん。懐かしいな)
リンは本を手に取るとパラパラとめくる。
(地面の穴に落っこちて迷子になったうさぎが家族を探し求めて旅をする話だっけ)
幼い頃に母に読み聞かせてもらった話を懐かしそうにリンは手に取る。
リンがこれにしようと本を手に取り、机に向かおうとすると一冊の本が目に入る。
(バトントワリングの本……なんでこんなとこに?)
間違えたのか適当に置かれたのか、リンはふしぎな顔をする。
(これも読もう。質問するなら、ある程度知っておいたほうが良いよね)




