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掃除が終わるということは
「朝霧ちゃんは四季の魔法なのね。私の音の魔法でも今のできるかな?」
興奮気味に朝霧に質問するリン。
「ええ。できますわよ。魔法は想像力次第ですから」
「想像力?」
「心の中に思い描いたもの、イメージしたものを魔法に変えれば良いのですわ」
リンの質問に朝霧は懇切丁寧に教える。
「そっか。じゃあさっそく――ってもう終わってるや」
「全部やってくれた。朝霧さんに感謝」
「え?あ。はい、そうですわね……全員でやればよかったですわね」
戸惑うリンと素直にお礼を言うポーリャとどう答えるか口をもごつかせる朝霧。
「うーん、やること終わったし姫野先生に伝えに行こうよ。入会の手続きもあるし」
少し間を置いたあと、リンはポーリャと朝霧に提案してみた。
「そうですわね。そうしましょうか」
「戸締り確認する」
手際よく確認し、三人は部室を出て扉に鍵をかけ、職員室に向かうことにした。




