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朝霧の魔法
「はあ?」
「だってそうでしょ?尊敬しろってどこをどうすれば良いのか教えてよ」
朝霧は眉間に手をあてて少し下を見る。
「それに言っとくけど、ポーちゃんも小学校から魔女見習いなんだからね」
「そう」
リンの言葉にポーリャはうなづく。
「だからベテランっていうならポーちゃんもベテラン――」
「わかりましたわ」
「え?」
「つまり私の魔法の実力を見せればよろしいのですね?」
朝霧は杖を取り出す。
杖のデザインはリンやポーリャのものとは少し異なっていた。
「部室の掃除を終わらせて見せますわ」
簡潔に答えると、朝霧は魔法を唱える。
「春夏秋冬、今は春――」




