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爆弾発言
「え!?ちょっと待って」
リンが抗議しようとすると、大きな音が響く。
ポーリャが乗せた荷物を載せた机がバランスを失って倒れた。
「何事ですの!?」
その音を聞いて朝霧が勢いよく扉を開ける。
「部室のお掃除中。マジックもかねて」
「ああなるほど、そういうことでしたの」
「あ、うん。そうなんだ」
淡々と説明するポーリャに、しどろもどろに答えるリン。
「よくできてますわね。あの雲」
「あはは、そうね、自信作かも」
「種や仕掛けはどこにあるのかしら?」
こうなったら破れかぶれと思っているのか、リンは開き直って話す。
その瞬間魔法が効力を失ったのか、埃が床の上に落ちる。
どう説明しようかと言葉に詰まるリンに、朝霧は微笑んで話しかけた。
「安心してくださいな。わたくしも魔女ですので」




