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漢字の名づけは大変です
「急にどうしたのゆっきー」
「漢字は漢字で大変なんだよ」
「そうなの?かっこいいなって思うよ」
リンはすなおな言葉を告げる。
「かっこいいのもあるよ。でもね例えば鈴には金偏に令でしょう?」
「うん」
「令はれいで、れいは零、つまり金が零、お金に苦労するという説があるのです」
ゆっきーの言葉に頷くと、朝霧が続いた。
「あくまで俗説だけどね」
「ほかにも波や海のようにさんずいが使われていると、波乱に満ちるとかね」
「だからひらがなの名前には憧れがあるのですわ」
「そっか、漢字は漢字で大変なんだね」
それでも私は漢字が良いと言いかけ、言い換えるリン。
「ポーちゃんはどう思う?」
「カタカナもかっこいいよ」




