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朝霧のお礼
「おはよー」
リンが元気よく挨拶をして教室に入る。
ポーリャはいつもと同じく淡々とした挨拶。
「おはようございます」
教室の入り口から挨拶が返ってきた。
リンがそこに顔を向けると朝霧がいる。
「おはよう朝霧ちゃん」
「……昨日はありがとうございました。おかげで助かりましたわ」
リンとポーリャに朝霧は深々と頭を下げた。
「そんな、私のほうこそ――」
途中でリンは言いよどむ。
(魔法のことは内緒だしどういえばいいんだろ……)
「お礼に、特別にちゃん付けを認めることにいたしますわ」
どうこたえようか考えているリンに朝霧は言葉を続けた。
「なら、みかげちゃんって呼んでも良い?」
気さくに話しかけたリンに朝霧は大きく深呼吸を始める。




