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町のどこかに魔女がいる  作者: ぷらすとぷらす
第6話 リンちゃんと魔法を使う人
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一歩目

 暗闇に一人っきりで歩く。そんな錯覚にリンは陥る。

(やっぱり学校に戻って朝霧ちゃんの看病をしよう!)

 自分が原因なのに自分だけ遊ぶのはどうか、という思いがリンの脳裏を駆け巡る。

 楽しそうに歩くゆっきーとポーリャに言葉をかけようとリンは意を決した。


『朝霧さん、目を覚ましたそうよ』

 話しかけようとする直前、リンの耳元に姫野先生の声が届く。

「姫野――」

『救急車の人は大丈夫だって。病院に確認のために行くそうよ』

「あ、ありがとうございます」

「だからリンちゃんは楽しんでおいで。それがリンちゃんのやるべきことよ」

 小声で話すリンに姫野先生は優しく促す。


「……はい」

 しばらく間をおいてから、リンは姫野先生に答えた。

 姫野先生の言葉に後押しされ、前に進むためにリンは一歩目を踏み出した。


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