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旧友
「あったね。そんなことも」
「どうしたの、ゆっきー?遠くを見る目をして」
「あはは。リンちゃんが引っ越した後も結構探したんだよ。みんなでさ」
「うん。引っ越す日の車に乗るときに約束してくれたよね」
「あれから町中探して手がかりをつけようとはしたんだよ……」
頬をポリポリ書いて言葉をにごらせるゆっきー。
「そっか。ありがとう、ゆっきー。その気持ちだけで嬉しいよ」
ゆっきーの気持ちをくみ、リンはお礼の言葉を告げた。
「おはよう」
「おはようポーちゃん。ひさしぶりだね。元気だった?」
教室に入ってきた銀髪の少女にリンちゃんは話しかける。
「うん。リンちゃんも元気そう」
「おはよう。ポーリャさん。リンちゃんは前と一緒でポーちゃん呼びなんだね」
「リンちゃんが言いやすいなら、ポーちゃんで良いよ」
ポーリャは淡々とゆっきーとリンに言葉を交わして自分の席にカバンを置く。




