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白い世界に響く音
(どうしようどうしよう)
半ばパニックになりかけたリンの耳に大きな音が届く。
その音に我に返り、音のした方向を見ると、木に積もった雪が落ちていた。
(びっくりしたあ……)
早く職員室に行こう、と決意してリンは渡り廊下を急ぐ。
渡り廊下から校舎に入ろうとすると、校内放送が流れる。
「学生は教室で待機してくださいだって」
「職員室に行きたかったのに」
「後にしよう」
リンとポーリャが会話していると、靴箱に向かって歩いている人影を見る。
「あれは朝霧ちゃん?」
雪をかき分けて進んでいる朝霧の姿がそこにあった。
(歩くならサクッサクッとかギュッギュッだよね……)
苦労して歩くその姿に、ドサッと後ろから音が響く。




