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練習開始
(ポーちゃんやゆっきーが魔法使えたらよかったのにな)
リンは姫野先生の言葉を思い出す。
(魔法を使えることは内緒、ってことは魔法を使える同士なら話せるよね)
姫野先生が魔法を教えてくれるのはそういうわけなのだろう。
(なんて虫がよすぎるよね)
虫のいい話はここまでと考えを切り替え、リンは手品の本を探す。
「あれ?本どこ行ったっけ?」
「昨日持って帰った」
「そっか。なら職員室だね」
ポーリャの言葉にリンは恥ずかしそうに笑う。
そのポーリャはというと、杖を片手で持ち、もう片方の手に向け、振っていた。
(シルクハットに杖をかざすトレーニングかな)
私もボール持ってこればよかった、と考えた直後にリンは思いつく。
(雪が積もっていればボールの代わりになるよね)
少しは積もったかな、とリンは外の様子を見る。




