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町のどこかに魔女がいる  作者: ぷらすとぷらす
第5話 雪の景色と親友と
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約束ごと

「どうしたの。こんなところで杖を出して」

 急に後ろから声を掛けられ、びくっと体を硬直させるリン。

 ゆっくり振り向くとそこにはポーリャがいた。

「おはよう、リンちゃん」

「お、おはようポーちゃん。ちょっとマジックの練習をね」

「それなら部室でやろう。誰かに見られると大変」

 ポーリャはそう言うと、リンに部室のカギを見せ歩き出す。

(そっか。ポーちゃんにもゆっきーにも魔法のことは内緒なんだ)

 先を歩くポーリャの背を見て、リンの胸はチクリと痛む。


(姫野先生との約束だから……)

 約束は守るもの、リンはそう心に決めている。

 というのも、少し前に門限を破ったことが一度だけあり、母に理由を聞かれた。

「つい夢中になっちゃって」

「夢中になることはいいことだけど罰は罰よ。しばらくお小遣い抜きね」

 それ以来、リンは約束したことは必ず守っている。


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