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雪舞う朝に思うこと
「行ってきまーす」
制服の上に防寒具をまとって学校に向かうリン。
テレビの天気予報では今日はずっと雪が舞うと言っていた。
「四月なのに雪って珍しいよね」
リンは手袋をつけた手のひらに雪をのせる。
手につく前に雪は消えていった。
(積もってくれたら遊べるのにな……)
引っ越す前のことを思い浮かべるリン。
ユッキーやポーリャと雪合戦や雪だるまを作ったことが記憶によみがえる。
「そうだ!魔法で雪を降らそう!」
リンは荷物にある杖のケースを見る。
(って通学路で使うとさすがにまずいよね)
魔法は内緒と姫の先生に言われたことを思い出す。
気が付くとリンは学校に向かい走り出していた、




