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帰り道と約束と
「前みたいに三人一緒に帰れたらよかったなって思っちゃってさ」
「今日は運よく一緒。明日からは別々」
ゆっきーにフォローを入れるポーリャ
「帰ろうよ一緒に!」
「でも会がつく部活動は……」
「姫野先生は自由参加って言ってたもん!図書室で本読むし一緒に帰ろうよ!」
「リンちゃん……」
涙ぐんでリンを見つめるユッキー。
「そっか。リンちゃんはマジックをやってみたかっただけか」
「うん。なんだったら、ゆっきーも一緒にやろうよ」
「気持ちだけ受け取っておくね。マジックっていうと魔女探しが出てきちゃって……」
ユッキーはリンが引っ越すときに魔女を見つけるという約束をしていた。
それを破ってしまった引け目からなのか、ユッキーは魔法から置こうとしていた。
(私や姫野先生が魔女だって話せればいいんだけど……)
姫野先生との約束を守るリンは、冷たい風の吹く中、友人をただ見つめていた。




