マカロンを送る意味
「朝霧さんなら手堅くクッキーで行くと思ったよ」
「クッキーは生地を寝かせますから。一日でとなるとマカロンかなと」
よほど意外だったのか、驚きの声を上げるゆっきーに朝霧は理由を話す。
「リンちゃんマカロンだって!これを人に渡すときは気合入れようね」
「うん!それにマカロンは初めてだから作ってみたい!」
好奇心をくすぐられたのか、リンは興味深々な目で岩筒地に答える。
「それに贈り物でクッキーっていうと追複曲のイメージなのよね」
「同じものの繰り返しだっけ。リンちゃんが発表会で予定していたやつよね」
「そっちは朝霧ちゃんで、私のは遁走曲」
「わかりやすく説明すると追複曲はクッキーならクッキーと繰り返しますの」
「遁走曲はホットケーキとかチョコクリームとかイチゴのショートとか色々よ」
リンの言葉に岩筒地が質問し、リン朝霧リンと会話が巡り弾んでいく。
「というか朝霧ちゃんもトウ兄と仲良くして良いんだよ。曲選びのときとか」
「あれは私の真後ろにいたのがポーリャさんでしたから」
助手席に座っていた朝霧とポーリャはイヤホンを片耳ずつ使用していた。
「トウ兄と朝霧さんが付き合っていると噂が一時あった」




