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隠された主語
全員の視線が集まる中、朝霧は言葉を続ける。
「先日社交ダンスのクラブに細花先輩がいらしまして」
続く一言で一気にゆっきーと岩筒地の力が抜けていく。
「社交ダンスは男性がリーダーで女性がパートナー、組をカップルっていうの」
「リンちゃんがトウ兄とカップルになれば全部解決」
キョロキョロするリンに優しく教えるゆっきーに続きポーリャは淡々と話す。
「それならこの学校のジンクスを使えば大丈夫よ」
リンが事情を聞いた岩筒地が解決案を出す。
「『願い事と一緒にお菓子を相手に渡すとうまくいく』ってジンクスがあってね」
菫山が調べたのか、岩筒地は興奮気味に説明する。
「そっか!リンちゃんが『私をパートナーにして!』って言えば!」
「そう!トウグウ王子に手作りのお菓子を手渡するの!次はいつ会うの?」
「えーと……休み明けに図書館で」
勢いに押され気味にリンは生徒手帳を開いて確認を取って伝えた。
「でしたら私の家で皆さんとマカロンでも作りましょうか」




