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再会
「それじゃあ僕は近くの友人の家に車を停めてくるから、二人は先に行ってね」
車の窓ごしに父は話すと、車を走らせようとした。
「待ってお父さん。ラジオの今日の占いだけ聞かせて」
素敵な出会いがあると聞いたあとに車を見送って、清白は母と一緒に道を歩く。
道の端にはタンポポが咲き、風に飛ばされた綿毛と一緒に学校へ向かう。
「お母さんはここで別れるからね。帰るときは地図を見て帰るのよ」
母は紙をリンに手渡し、周囲にいた大人たちとの会話に混ざる。
リンは名前が書かれた教室へと足を向けると、紙を大切そうにポケットにしまう。
「おはようございまーす」
リンが挨拶をして教室に入ると、教室にいた何人か視線を向けてきた。
「リンちゃん!帰ってきたんだ!」
「うん。こないだ帰ってきて中学からはまたみんなと一緒。よろしくね」
「家は前と同じなんだっけ?懐かしいよね、また今度遊びに行くよ」
「うん。またみんなと遊ぼうよ。昔みたいに魔女探しとかさ」




