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幕間
「色は?」
最初に来た園児に対し、ポーリャは淡々と端的に聞く。
「ここにある色の中から好きな色をお選びください」
びくっとした園児を見て朝霧は駆け寄り助け舟を出す。
ぽつんと一人リンは立ち尽くし状況を眺めていた。
「手伝えることがあるはずよ」
姫野先生に背中を押され、リンは朝霧のもとに向かう。
園児たちが選んだ色を取り出し、朝霧はハンドポンプで空気を入れる。
その風船を受け取り、ポーリャはバルーンをハートの形して園児の首にかけた。
「袋から風船出すね」
「ありがとうございます。助かりましたわ」
リンは園児たちから色を聞き、風船の口を朝霧に向けて机の上に置く。
「そっちも終わったかい?こっちも終わったよ」
風船を渡し終えた後、舞台の準備を終えた先輩がリンたちに声をかけてきた。




