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町のどこかに魔女がいる  作者: ぷらすとぷらす
第37話 発表会
295/313

Fantaisie Impromptu(幻想即興曲)

 朝霧やポーリャが驚く中、リンは言葉を続ける。

「杖よきらきら輝いて!色彩豊かなきらめきと!思い描いた旋律で――」

 対照的に姫野先生は嬉しそうに見守っていた。

「私の色に染め上げて!」

 杖が白く輝きだすとリンはポーリャと朝霧に呼びかける。

「ポーちゃん!朝霧ちゃん!杖貸して!」

 呼びかけに応じて、ポーリャはとりやすい高さと速度で杖を投げ渡す。

 朝霧も心配げな表情で少し遅れてポーリャに(なら)い、杖を投げた。


(大丈夫。だってこれはマジックショー。手品の舞台だから!)

 人を楽しませるにはまず自分が楽しむ。

 車の中で姫野先生から教わったことをリンは思い出す。

 手に持った杖を宙に投げたところで、音楽が流れ始める。


 音楽のリズムに合わせ、舞う杖が即興曲を奏で出す。

 杖を手放すタイミング、高さ速さが鳴る音と色を次々変えていく。


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