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町のどこかに魔女がいる  作者: ぷらすとぷらす
第37話 発表会
294/313

バルーンアートとマジックと

 ポーリャは杖を持つ手でバルーンをつかみ、握り、ひねりだす。

 それがクマをかたどると、机の上に置いて新たなバルーンを取り出した。

(あれ?今度は片手だけ?)

 リンがそう思っているとポーリャは杖を腰に差し離れた場所で指を動かす。

 すると先ほどと同じくバルーンがひねられ、イヌの形になる。

(いったいどうやって……ってあれは糸?)

 ピアノ線だろうか、ポーリャの指先から細い糸が窓からの光できらめく。

 その後もポーリャは糸を巧みに使いウサギやネズミ、キリンを作っていった。

(徹底的に練習したんだろうな。まるで魔法みたい――って魔法!)

 自分の番が近づくリンの脳裏に閃光が走り、ある考えがひらめく。

「先生、曲変えてもいいですか?」

 リンは小声で姫野先生に話しかけ、許可を得ると周囲を見渡し眼を閉じる。

(大丈夫。できる。私なら)

 考えをまとめていると拍手が巻き起こり、ポーリャの声を聴きリンは瞳を開く。

 そして部屋のカーテンを閉め、舞台に上がると杖をかざす。

「イッツ ア ショータイム! 音色よ音色音の色――」

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