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町のどこかに魔女がいる  作者: ぷらすとぷらす
第37話 発表会
291/313

到着と準備

 姫野先生の車の中でマジック実演時に流す音楽を聴き、選んでいく。

 いくつかある曲からそれぞれが選び終えたころ、車は保育園に到着した。


「ではあえて確認しますね。今回のルールについて」

「保育園にいる園児たちが喜んでくれたらいいんですよね?」

「マジックで、を入れましょうか。園児たちがマジックで喜んでくれたら」

 教頭先生の質問にリンが答え、校長先生が補足する。

 その傍らで菫山はメモを取り、広報委員長はカメラを取り出す。

 保育園から年配の方とエプロンをつけた人が姿を見せ、こちらにやってきた。

(園長先生と保育士さんかな?)

 リンの想像通り相手は園長先生と保育士さんで、挨拶を交わし着替えに向かう。


 人の文字を掌に書き、リンは何度も飲み込む。

「やることやったんですもの。あとは自分を信じましょう」

 緊張に固まるリンをほぐそうとしているのか、朝霧は優しい言葉を投げかける。

「気軽に言ってくれちゃって……自分を信じるのって、難しいんだよ」


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