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閉じ込められた中で
「魔法――は菫山君対策で杖は置いてきたんだっけ」
「壁に耳あり障子に目あり」
リンは状況を確認し、ポーリャはドアノブを何回か回す朝霧に駆け寄る。
「この扉は内開きなのですわ。廊下の人に当たるからと――って清白さん!」
朝霧が説明しているところでリンは高い位置の窓に向かい走り出した。
「あそこから出て先生に知らせてくるよ」
「外は雨ですわ。滑りますわよ。わたくしも春先に転んで頭打ちましたの」
リンは春先に大雪を降らせたことを思い出す。
「だったら先生たちが気づくまで掃除と片づけを続けようよ!」
自分も頭を打って意識を失ったことを振り払い、リンは切り替えて発言した。
「これとかこれ場所変えたらスペース空くかな?」
「置き場を変えると来た人が困りますから、配置図を描きましょうか」
「日付も。あと前のも」
ホウキで埃や砂利を塵取りに入れ、リンとポーリャは大道具の配置を変える。
朝霧はというと携帯で撮った写真と今を見比べながら配置図を描いていた。




