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雨の日の波紋
「あ!おはようポーちゃん!どうしたの?」
翌日、傘から滴る水滴と雨粒が水たまりに波紋を起こす中リンは挨拶する。
「リンちゃんおはよう。一緒に行こうと思った」
淡々と挨拶を返すポーリャとともにリンは一緒に学校に向かう。
「岩筒地ちゃんどうかな?治っているといいね」
「大丈夫。三人だから」
「そうよね。保健室の先生も大事をとってだったし――ポーちゃん日本語勉強中?」
「だいたいは覚えた。類義語がまだ」
「そっか。大変よね。数多くてさー。私も英語の授業がちんぷんかんぷんだもん」
雨の中学校に向かう途中、急にリンの目の前に傘が現れる。
「わっ!おはよう菫山君。どうしたの藪から棒に」
「おはようリンちゃん。あのさ、昨日部室裏で杖出していたよね。あれは何?」




