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チア部
「え、えーとポーリャちゃんだっけ?誰に教わったの?」
「独学」
「なんで覚えたの」
「保健委員」
「チアに興味あったりする?」
震える声と淡々とした声が交響曲を奏でる。
「マジック研究」
きっぱりと言い放つポーリャの声でチア部の先輩は説得をあきらめた。
「ありがとポーリャちゃん。だいぶ楽になったよ」
空いた部室の扉から見えるグラウンドではチア部が三人一組で練習している。
「あれはスタンツって言ってね。肩に上る組体操の練習だよ」
ゆっきーがリンとポーリャに説明しだす。
リンが動きを目で追っていると女子から少し離れた場所で男子も練習していた。
「男子もいるよ。この部屋で何をやるか決めてあっちの更衣室で着替えるの」
「へー。みんな練習熱心よねって……あそこにいるの菫山君かな?」
男子のチア部の場所に広報委員の取材なのか菫山の姿をリンは見つける。




