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プラスワン
「ジャグリングとシルクハットか。雰囲気あるし、行けると思うよ」
「ホントですか!?」
「お世辞でもうれしい」
ばらばらの言葉でリンとポーリャは喜びを表すも、どちらもすぐに曇った。
「ただ、その……ジャグリングが手品かって言われちゃって」
「なにをどう出すかが難しい」
「それで相談に来たのね。そういうことなら……」
チア部の先輩は考えた様子を見せ、少し間を開ける。
「シルクハットは小道具があるからあとで先生に聞いてみるよ」
「ジャグリングは?」
「そっちはもうあとプラスワンしてみたらどうかな?」
「何か加えても手品っぽくは」
「そこが腕の見せ所」
チア部の先輩はどこからかバトンを取り出し真上に投げる。
続けてもうひとつ投げ、反対側の手でポンポンを宙に舞わせた。
「ね?こんな感じでどこからか出してやれば子どもたちは満足してくれるはずよ」




