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音を楽しむ
杖をふるうと音が鳴る。
ピロン♪ピロリン♪と軽快な音が鳴り響く。
(これはこれで楽しいかも)
リズムをとって何度か杖をふるう。
軽快な音が曲となり、旋律を奏でる。
それに合わせてリンも踊るように動き出す。
しばらくして姫野先生とポーリャの視線に気づき、リンは顔を赤らめる。
「あはは……」
「楽しそうでなにより」
「そうね。杖を気に入ってくれて嬉しいわ」
ポーリャと姫野先生の優しい言葉をリンを包む。
「どんなこともまず楽しむことから始めようね」
姫野先生の言葉にリンは、元気よく返事した。
姫野先生は入会届を確認し終えると、リンとポーリャに本を手渡す。




