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町のどこかに魔女がいる  作者: ぷらすとぷらす
第33話 忘れ物を取りに
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探し物はどこですか

 深い青に染まる空に顔を出した白い月に照らされ、。リンは机とロッカーを探す。

 携帯の明かりを頼りに探していても宿題のノートは姿を消していた。

「落とし物として届けられた可能性もありますわ」

 何度も探すリンを心配してか、朝霧は声をかける。

「職員室で聞いたよ」

「となると別の場所でしょうか」

「今日の教室移動は音楽室と理科室」

 ポーリャの声にリンはびくっと身を震わせた。

「多分教室のどこかだよ――」

「時間も限られていますから急ぎましょう。やることあるのでしょう?」

 朝霧の言葉でリンは外で食べたいことを思い出し、顔を上げる。

「えーとえーと、えーっと……音楽室から行こうよ」

「……理科室は通り道だからでしょうか」

「音楽室までは電気つくから」

 教室から廊下へ踊る影が一つ、遅れて二つ。

 月は静かにその動きを見守っていた。


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