261/313
学び舎到着
「まったく……こういう時間帯は広くて安全な道を通るのが早いですわよ」
赤と藍色が混ざり合う空の下、リンとポーリャは朝霧と会う。
路地裏や住宅街を突っ切ろうとしてぶつかりかけ、朝霧に勧められた。
「早く学校につきたくてさ……」
「そういう気持ちが事故を招きますの。私もご一緒しますから」
少ししてリン達三人は学校に到着する。
ペダルに力を入れて自電車を漕いだことで時間の経過は最小限だった。
「せっかくですし今教えておきたいことがありますわ」
朝霧はリンとポーリャにケースからから杖を出すように伝え、自身も取り出す。
「今後研究会がどうなるかを考え、あえてお見せすることにしました」
そういうと朝霧の杖からリンとポーリャの杖に光が移り、うっすらと輝く。
「杖の光の回復の仕方、魔法の詠唱の短縮、ご自身でお考え下さい」
感心しているリンとポーリャに朝霧は優しい笑顔と言葉をかける。
「ありがとう朝霧ちゃん。先生についたよって連絡してくるね!」
一緒に靴箱に着いたポーリャと朝霧に見守られ、リンは職員室に足を向けた。




