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電話
「もう遅いし明日にしようかな……うんそうしようって電話だ」
リンの携帯が鳴り、画面にはお父さんの文字が表示されていた。
『もしもし。ちょっと遅くなるから』
「わかったよお父さん食事はどうしよう」
『リンちゃんが宿題をやっていたら外に食べに行こうってお母さんが』
父の言葉を聞いてリンの目の色が変わる。
「わかった。急いで終わらせるね」
通話が終わるとリンは生徒手帳を取り出し、家の固定電話に向かう。
「私一年生の清白りっかです。宿題を忘れたのですが取りに行ってもいいですか?」
電話を取った人は中学校であることを告げた後、リンは聞いてみる。
リンの質問に電話先の人は承諾し、守衛さんに連絡を入れておくと言ってくれた。
「ありがとうございます。すぐ向かいますね」
お礼を言ってリンは受話器のボタンを押してから電話を切る。
「ガチャンって音、苦手なのよね」
そう呟いてリンは急ぎ足で二階の自分の部屋に向かう。




