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誓いの魔法
「やりたいこと決まったかな?」
姫野先生も朝霧もポーリャも満足そうに頷き、画面からツグ姉がリンに聞く。
「はい!今は手品に集中してそのあと魔法の練習をしっかりやります!」
「うん。これで私も安心して引退できそうだね」
ツグ姉の気持ちをおもんばかり、リンはしょんぼりと肩を落とす。
「大丈夫。退院したら顔を出すから。だからリンちゃんも発表会を成功させてね」
ツグ姉の言葉にリンは大きく首を縦に振った。
「そうだ!ポーちゃん朝霧ちゃん!上手くいくように三人で魔法をかけようよ!」
リンの言葉にポーリャと朝霧は着替えて杖を構えた。
「音色よ音色、音の色――」
「クマよクマクマ、クマの神――」
「春夏秋冬この春に――」
リンとポーリャと朝霧は別々の魔法を唱え、三人の口から同じ言葉が紡がれる。
「発表会を成功し、ここを守ると誓います!」
ツグ姉と姫野先生は三人をやさしく見守っていた。




