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今何ができるか
「どういうこと?」
「例えば、魔法が使える子が集まったとも考えられますわ」
「考え方はいろいろだからね。いろんな角度で見る癖をつけておくと便利よ」
リンの言葉に朝霧とツグ姉が返す。
「魔法の勉強は今後どうします?」
「そうねえ。毎日は難しいから週に何回かに区切ろうかなって」
「えー!ようやく始まったのに~!早く魔女ひなになりたいのに~」
「まずは試験が終わってからですわね」
「そうね。一度にできることはひとつだけだからね」
リンはまだ何か言いたげな顔をする。
姫野先生はリンと向かい合い、優しく話しかけた。
「最優先事項を選んで、今何ができるかを考えて、ならどうするかを決めていってね」
「今何ができるか、ですか」
「そう。自分で選んで自分で決める。リンちゃんにとって最優先なことは何?」
「魔法を学ぶこと――あ!魔法を学ぶ場所を守ること!」




