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内緒の話へ
「もー!トウ兄たちはもー!順番決まったらもうどっか行っちゃうなんて――」
「まあまあ。最初と最後やってくださるだけでもありがたいですわ」
「そういう自分もちゃっかり二番目」
「女子の最後はリンちゃんだからポーリャさんとトウグ君と連携とってね」
「私も参加できたらよかったんですが……」
それぞれがおのおのの口を開く。
なおも口を開こうとするリンを瞳に移し、ツグ姉は母からヘッドセットを受け取る。
「これでお母さんにも看護師さんにも内緒の話ができるよ」
研究会の話を内緒にしておきたいという体裁で親から借りたとツグ姉は話す。
「保育園の発表会は私もお母さんも見に行けるように調整するからね」
ヘッドセットを身に着けたツグ姉が画面越しに話しかける。
「いろんな人が来るの?」
「保護者の人と教頭先生と広報委員は来るでしょうね」
「だったらなおさらトウ兄たちとお話ししようよ。お話は大事なのよ!」
興奮気味に話すリンをポーリャはなだめ、朝霧が諭す。
「男子は男子、女子は女子に分かれたと思えば好都合ですのよ」




