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雑談
「どう?朝霧さんはもうこの街になれた?」
「はい。暮らしやすいいい街ですわね」
「夜帰るとき遅くなるなら途中まで付き合うよ」
トウ兄を皮切りに朝霧、先輩が口を開く。
「ありがとうございます。その時はポーリャさんや清白さんがいますから」
焚いているから付き合おうと、やんわりと返した朝霧にポーリャが便乗する。
「そうよね。ゆっきーもいるしみんなで帰ろうよ」
「雪八柳さんは何部?」
「チアだって。先輩が厳しいみたい」
「運動系はどうしてもね。僕たちは文科系だから」
「あ、そうだ。その、今回は――」
リンとトウ兄の会話後、リンが全員集合の理由を謝ろうとすると先輩が止めた。
「いいさいいさ。過ぎたことさ。犯人や原因追求よりこれからを考えようぜ」
「そうだよ。僕たちも去年やったし。続いちゃったから教頭先生が起こったのさ」
トウ兄の言葉に先輩は少し驚いた顔をして、肘でつつく。
仲の良い様子とトウ兄の新しい一面がリンの瞳に映った。




