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町のどこかに魔女がいる  作者: ぷらすとぷらす
第31話 図書室の本
245/313

謁見の間にて

「誰?」

「ポーちゃん!人に尋ねるときは自分から言うのが礼儀でしょ!はじめまし――」

「時と場合による」

 自己紹介を始めようとしたリンの声にポーリャは言葉を重ねた。


「名前などどうでもいいではありませんか」

 奥の椅子に座っている人がリンの言葉に応じる。

「あれって玉座かな?ってことはここは謁見の間?ポーちゃんはどう――」

「どうでも?」

 小声でリンがポーリャに聞く。

 言い終える前に警戒心をあらわにしたポーリャが玉座の人に言葉を投げる。


「ええ。そんなことよりもっと大事なことがあるでしょう?」

「例えばどんな?」

「もっと自由に魔法を使ってみませんか」

 玉座の人はにっこりと笑ってリンの質問に答えた。

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