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海と小瓶とお手紙と
「ここは……砂浜?」
「きっと本の中よ。あの本が私たちに何かを伝えたくてここに呼んだのよ」
磯の香りと潮騒の中、ポーリャは周囲を警戒する。
「あ!瓶がある。きっとこの中に何かあるはず」
海と砂浜の境界線にある小瓶へ波が波が打ち寄せては引いていく。
「ほら中に手紙がある。開けて――」
「待って。警戒」
いとも簡単に拾い上げ栓を開けようとしたリンにポーリャは声をかける。
キョトンとしたリンは拾い上げた小瓶をポーリャに手渡す。
ポーリャはまじまじと小瓶を見つけ様子や状態を確認していく。
「パルキオ!ついてきちゃったの。ボーラまで!」
岩陰から鳴き声をしてリンが振り向くとパルキオとボーラの姿があった。
持ってきていた杖を二人が受け取ると、小瓶の栓がひとりでに開く。
そして中にある手紙が自動的に開封され、描かれてあった魔法陣が光る。




