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本の森
「いいのかな?ポーちゃん手伝っても」
「トウ兄が許可した。いろんな子が図書委員をやれる配慮」
「そういうものなのかなあ」
モヤモヤ感を感じながらリンはポーリャと本の森の中に運ぶ。
「そもそもさ、男子と女子でなんでわかれてるのさ、今」
「うん?」
「小学校の頃は男子も女子も一緒に動いてたのにさ」
「そういうもの。ちょっとずつわかる」
「今知りたい!」
リンが大きな声を出すと図書館中の視線が集まる。
図書館では静かに、そう目が語っていた。
「ひとまず本はここよね。早めに戻しちゃおう」
肩身が狭くなったリンは早足で移動して手早く動く。
表紙がボロボロになった本を見つけ、リンが手に取る本が光った。




