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開く扉
「ええ。そうよ」
姫野先生のにこやかな回答に、リンは肩を落とす。
「せっかく先生が籠めてくれた魔法の力をほいほい使っちゃった……」
「魔法力はまた籠めるから大丈夫よ」
「でも……」
「今はリンちゃんが魔法を使えるようになることが先決よ」
リンは落ち込んでいるのか、目線を下に向けた。
「どうする?続ける?」
うつむいたままでいるリン。
「リンちゃんが決めて良いよ」
「……やります!」
少し考えたあと、リンは杖をしっかりと握って、コップに向けて魔法を唱えた。
「そう。その調子よ清白さん。失敗してもいいの。そこから学んで次に生かせばね」
魔法を唱えた直後、姫野先生が話しかけてくる。
急な清白呼びに首を傾げ、姫野先生に聞こうとすると扉が開いた。




