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魔法とマジック
「手品の本はある」
リンがどうこたえようか考えているとポーリャが答えた。
「そっか。そりゃそうだな」
あれば儲けものと思っていたのか、菫山は何度も頷く。
リンにはその様子が自分を納得させているかに見えた。
「仮にもし万が一魔法があったら菫山君は記事にする?」
念のためにリンは菫山に確認する。
「そりゃするさ。広報委員にはそういうの好きなの多いし」
菫山からの答えは案の定だった。
「保健委員は手当てが好きな人、図書委員はは本が好きな人がなるのと一緒さ」
「そうよね。そのとおりよね」
「マジックが魔法でそれを学校で学んでるってネタならノルマ達成――」
「そういうのがあるから教頭先生に指摘されるんでしょうが!」
「だから耳引っ張るなっての!」
そう話していると、廊下から菫山の友人がやってきて菫山は席を外す。




