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合流
「音色よ音色、音の色。わたし運んで、友のもと」
リンは自動販売機の陰でこっそりと魔法を使い、ポーリャのもとに来る。
「ポーちゃん!どうしたの?」
「よかった。会えた」
大きく息を吐いてポーリャは安心した顔でリンを見つめた。
「春夏秋冬今は春。春風ともに舞い降りる」
上から降る声のもとを確認しようと、リンとポーリャは空を見る。
「朝霧ちゃん!なんで――」
「リンちゃん!魔法!」
驚くリンを呼び止め、ポーリャとリンは魔法を唱えた。
「音色よ音色音の色」
「クマよクマクマクマの神」
「友を運んであの木まで」
春風が強く吹き、朝霧は近くの木の枝に到着する。




