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町のどこかに魔女がいる  作者: ぷらすとぷらす
第29話 買い物に行こう
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屋上にて ~リン視点~

「空が近ーい!風が気持ちいいー!」

 屋上の駐車場にリンの姿はあった。

「こういうところに来たらまず高いところよね。町も一望できるし」

 金網越しにリンは街の景色を眺める。

「さてそろそろみんなと合流しようかな――ありゃ圏外。なら魔法かな」

 携帯を見てリンは唇を尖らせたあと、物陰に隠れて杖を出して魔法を使う。

「音色よ音色、音の色。友人たちはどこにいる?場所を教えてくださいな」

 リンの杖から音が奏でられていく。

「ポーちゃんは一回で朝霧ちゃんは二回に向かっている最中」

 魔法の音色で居場所がわかると、リンは少し考え始めた。

「朝霧ちゃんに会いに行こう。ついでにアドレスや番号も教えてもらおう」

 決めるが早いかリンはエレベーターに向かう。

「わっと、やっぱり屋上は風が強いね」

 リンは両サイドにリボンがついた丸みを帯びた大き目のベレー帽を深めに被る。

 空色のワンピースドレスと白のスカラップボレロが風になびく。

(朝霧ちゃんとは服売り場で会えそうよね。どんな服が好きなんだろ?)

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