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捜索開始
「メールとアプリもこれでよしっと――どこにおられるか心当たりは?」
「あればすぐ行く」
「ポーリャさんがそう言われるのならしらみつぶしになりますわね」
朝霧は一度だけ大きく息を吸って吐く。
その様子は覚悟を決めたかに見えた、
「行こう。探しに」
「ええ。ひとまず私は服関連のお店を当ってみます。ポーリャさんは?」
「何か買うはず」
「食料品売り場ですわね。一時間後に落ち合いましょう。場所は――」
「ここ」
淡々と話すポーリャの意図を組み、朝霧はエスカレーターに向かう。
それを見届け、ポーリャも食料品売り場に歩き出す。
さて、ここで視点を変えてみよう。
どこかに行ってしまったリンにスポットを合わせてみる。




