222/313
平行線
「真剣にマジックに取り組んでいると受け取ってよろしいですか?」
ポーリャの発言に教頭先生が質問し、ポーリャは肯定する。
「でしたらほかの場所、例えば校外でそういう方を紹介しましょうか?」
「姫野先生がいい」
「なるほど、こだわりがあるのですね。でしたら文芸部などに所属して――」
「研究会でやる」
「ふむ」
教頭先生とポーリャが火花を散らす。
しばらく会話が続く。
教頭先生が妥協案を示してもポーリャはそれを断り続ける。
「ようは私たちが毎日残っていることが問題なんですか?」
どこまでも続く平行線にリンは割って入った。
「そうですね。それもあります」
「それも?」




